ハワイアンジュエリーのオーダーメイド-LocalBrand-オフィシャルサイト
2025年7月29日
ハワイでは、古くから自然界のすべてに「マナ(mana)」と呼ばれる霊力・神聖な力が宿ると信じられています。火山、海、月、植物、動物、そして人々の暮らしを取り巻くあらゆる存在に神聖な力が込められているという思想は、ハワイアン文化の根幹とも言えるものです。
例えば、
こうした神々の力を日々の暮らしに取り入れるために、ハワイアンたちは海や森の恵み、そして貝殻や石といった自然素材をジュエリーとして身につけてきました。
中でも、古代から現代に至るまで特別な意味を持ち続けているのが「タカラガイ(宝貝)」です。古代ハワイアンにとって、貝は海の恵みであり、神様の贈り物でした。
ハワイアンジュエリーに使われる貝は数種類ありますが、特に知名度の高い「タカラガイ」についてご紹介します。
タカラガイとは、巻貝の一種で、表面には斑点や独特の模様があり、つるつるとした光沢を持ち、丸みを帯びた卵のような形が特徴です。種類によって色味も異なります。世界中の熱帯・亜熱帯の温暖な海の浅瀬に生息しており、日本でも沖縄や奄美諸島など南の島々に多く見られ、「宝」の名前のとおり、古来より縁起の良い貝とされてきました。
ハワイアンジュエリーの中でも、神秘的な魅力を持つモチーフ「神が与えた宝物」として古くから愛されています。
かつてアジア・アフリカ・ヨーロッパなどの一部地域では、「貨幣(貝貨)」として使われていました。保存性が高く、見た目も美しいこの貝は、「貝貨」として長く流通し、物々交換の基盤となっていたのです。
特にアフリカでは19世紀まで流通し、「カウリー(Cowry)」と呼ばれて、牛一頭や土地と交換できるほどの価値を持っていたと言われています。ヨーロッパの商人たちは交易品としてタカラガイを扱い、それが時に奴隷取引にも用いられたという歴史も残されています。
紀元前1600年頃の古代中国、殷(いん)王朝の時代には、金属貨幣がまだ発展していなかったため、光沢があり保存性が高いタカラガイは「お金」として非常に重宝されていました。
「財・貨・貴・買・貯・賃・賄」といった“お金”に関係する漢字に「貝」が含まれているのも、古代中国におけるタカラガイの使用文化に由来しています。
タカラガイは、通貨としてだけでなく、儀式用の装飾品や王族の衣装にも多く用いられてきました。その美しい外観から、特別な場にふさわしい神聖な素材とされ、首飾りや冠、装飾布などに縫い付けられ、身分の高さや権威を示すアイテムとして重宝されたのです。
特に、アフリカやアジア、ポリネシア文化圏では、タカラガイを多く身に着けることが「支配者である証」とされ、部族長や王が神聖な儀式に臨む際にも重要なアイテムとされていました。
その丸く滑らかな形状が“命の入口”や“女性の子宮”を連想させる神聖な貝とされてきました。こうした形状的な象徴から、タカラガイは「豊穣」「生命の誕生」「再生」の象徴として出産や結婚にまつわるお守りとして大切にされてきました。
例えば、アフリカやポリネシア、東南アジアの一部地域では、妊娠中の女性がタカラガイをお腹に当てて祈りを捧げたり、出産のお守りとしてタカラガイの装飾を携えることもあったといいます。
現代においても、その象徴的な力は受け継がれており、妊娠・出産を控えた女性へのギフトや、夫婦円満を願うアクセサリーとしてのタカラガイのジュエリーは、多くの人々に愛されています。
ハワイやポリネシアの神話の中では、タカラガイにまつわる逸話が語られています。
月と海を司る神聖な女神「ヒナ(Hina)」は、豊穣と母性、癒しを象徴する存在として古くから崇拝されてきました。彼女はハワイの英雄マウイの母としても知られ、女性たちの守り神としても語られる神聖な存在です。
ある時、ヒナは地上での人々の苦しみや悲しみを見て心を痛め、自らの力ではどうにもできない運命に涙を流したといわれています。
その涙が月の光とともに海に降り注ぎ、海中で神聖なエネルギーをまとって固まり、美しい貝「タカラガイ」となったと語られています。
この神話を背景に、タカラガイは自然物以上の、神の涙が結晶化した神聖な存在として、次のような意味を持つようになりました。
ヒナの慈しみが込められていると信じられ、妊婦や新生児へのお守りとして用いられました。
月は生命のリズムを司る存在であり、ヒナの涙から生まれた貝には、豊かな恵みと再生のエネルギーが込められているとされています。
タカラガイの形状が女性の身体や子宮を連想させることもあり、月の満ち欠けとともに、女性のリズムを調和させる存在と考えられました。
ハワイの祖先たちは、大海原を星の動きや風向きといった自然のサインだけを頼りに旅した、優れた航海民族でした。
そんな命がけの航海において、古代ハワイの航海士たちはタカラガイを船や衣類、腰布、首飾りなどに縫い付けて航海の安全を祈願しました。それは、「タカラガイの丸い形」と「滑らかに転がる性質」に由来しています。
この転がる形状は、「悪運や災いを受け流し、かわす」力の象徴と考えられていました。荒波や嵐、病や遭難といった航海中に起こりうるあらゆる「悪いもの」を避け、穏やかな道を導いてくれる…それが、タカラガイのマナ(霊力・神聖な力)だったのです。
また、古代の航海では、夜空に輝く星々が「スター・ナビゲーション」の鍵でした。
ヒナの涙としての意味合いから、夜の海を照らし、航海士たちに進むべき道を教えてくれる“天の道しるべ”という信仰が、航海文化と深くつながっていたのです。
このように、タカラガイは古代ハワイの航海士たちの命を守り、女性たちの幸せを願う祈りの存在であり続けてきたのです。
現代のハワイアンジュエリーでは、タカラガイは単なる装飾ではなく「祈り」や「絆」を表現する大切なモチーフとして受け継がれています。LocalBrandでは、タカラガイの象徴性と美しさを活かしたオリジナルジュエリーを展開しており、神話や歴史に想いを馳せながら、自分自身や大切な人を守るお守りとして身につけることができます。
タカラガイは、自然が生んだまさに“奇跡のような存在”であり、ハワイアンジュエリーにおいても非常に重要な意味を持っています。神話、歴史、そして文化的な背景を知ることで、単なる装飾品としてではなく、「守り」「癒し」「再生」といったメッセージが込められたジュエリーとして、より深い愛着を持って身につけることができるでしょう。
LocalBrandのハワイアンジュエリーは、こうしたマナの力を現代に伝えるアートです。
海がもたらした神聖な恵みを、日々の暮らしに。
あなた自身や大切な人の幸せを願う心を、海の宝石・タカラガイに託してみてはいかがでしょうか。
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